



マレーシアの美しい民族衣装、バジュ・クバヤ(下の写真)。その美しい衣装の生地に使われているのがマレーシアの伝統工芸品、バティック(ろうけつ染め)です。マレーシア各地で生産されていますが、特に有名なのは東海岸のトレンガヌ州とクランタン州です。自分達が着ているバティックが果たしてどのように作られているのか、見学に行ってきました。
取材に協力していただいたのは、Nordin Batikという家の近くにある新しくて綺麗なバティック屋さん。以前にも行ったことはあったのですが、今回取材に行くことになったのはひょんなことがきっかけでした。KLから友人が来た時にこのお店に連れて行ったところ、なんと、こんなところに日本人の女の子がいたのです!トレンガヌやクランタンでバティック作りの修行中のKさん。最初はトレンガヌで数ヶ月勉強していたのですが、さらなる技術の向上の為に知人に紹介してもらって、このコタバルにあるNordin Batikにやってきたのだそうです。実際に作っているところを見せてもらいながら、バティックの作り方を教えてもらいました。





ロジンという茶色い蝋
リリンという白い蝋
2種類の蝋をこの缶の中で溶かします。分量は1:1。模様を描く生地によって分量を変えたりもするそうです。

溶かした蝋をこの万年筆のようなチャンティンという道具に注ぎいれ、溶けた蝋で模様を描いていきます。

蝋で模様を描き終えたシルクの布地

模様に色を入れていきます。蝋が防波堤のような役割りを果たし、色がにじんだりはみだしたりしません。。

模様に色を入れ終わったら今度は背景を塗りつぶします。

模様、背景共に塗り終えたら色を定着させる薬剤に漬け込んで、その後は日陰で5時間干します。ドロッと固まった状態になったら水で3回洗って薬剤を落とし、今度は熱湯につけて蝋を落とします。そしてそれを乾かしてやっと出来上がり!二日がかりの作業です。ふうぅっ(汗)。美しいバティックには職人さんの手間暇がかけられているんですねぇ。



先輩の指導を受けながら一生懸命修行しているKさん。
これは上で紹介したバティックよりもっと手の込んだもので、上が第一段階だとすると、第二段階としてさらに蝋で模様を描いたり、色を重ね塗りしてグラデュエーションをつけたりしたものです。また定着液に漬けて、干して、水で洗って、熱湯につけて、っていう作業を繰り返すのだそうです。ふうぅぅ、聞いただけで汗がでてきそうです。

シンプルながらもカラフルな花々が美しいシルクのバティック。一口にシルクのバティックと言っても値段には幅があり、このようなシンプルなものは大体RM150(約4,700円)くらいで、上のバティックのように手が込んでいて手間がかかるものはRM300(約9,500円〜RM500(約15,800円)もします。私もフォーマル用に一枚欲しいとは思うのですが、コタバルの物価を考えると超高級品なので、中々手が出ません(汗)。日本の物価で考えるとこんなに綺麗なシルクが4メートルで一万円から一万五千円と言ったらとても安いとは思いますが。このようなシルクのバティックは大抵バジュ・クバヤやバジュ・クルンを作るために作られているので上下セット分で4メートルです。
東海岸名産品のバティックはAIR BUNGAでもコットンのブロックプリントのものを主に取り扱っていますが、実は詳しい作り方は分からなかったので、とても勉強になりました。バティックと言えばインドネシアの方が有名ですが、私はよりカラフルなマレーシアのバティックが大好きです。アブドゥラ首相の奥様が一生懸命バティック産業の発展のために尽くしていらっしゃいましたが、残念ながら昨年ご逝去されてしまいました。この美しい伝統工芸品を是非より多くの世界の人々に知っていただきたいものです。
